健康コラム

院長コラム第2回

Column

院長コラム第2回

院長の山本です。ここでは様々な側面から近年増加している、ご高齢の患者さんについてざっくばらんに皆さんの直面する問題にQ&A形式でお答えしていこうかなと思っています。

Q:最近、ノロウイルスの腸炎が流行っているとニュースでみたのですが、ほかの腸炎と違うのですか?

A:最近テレビでもよく取り上げられているので、耳にされた方も多いと思います。
ノロウイルスと言われるウイルスに感染された方の吐物や便、ウイルスに汚染された食物が体内に入ることによって感染します。症状は突然発症する嘔吐、下痢です。症状は強く両方の症状が出ることもしばしばあります。腹痛も強い場合があります。発熱は約半数に見られます。
通常1-2日で症状のピークを越え、軽い症状も含めて1週間以内に治まることが多いのですが、ご高齢の方や乳幼児では重症化することがあり注意が必要です。治療は脱水に対する水分補給などの対症療法が中心となります。
ノロウイルスは感染力が強いうえに、構造上アルコール消毒が効かない場合があるのが他の腸炎と違うところです。床やトイレなどでの吐しゃ物の掃除は次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤(ハイターⓇ)などを使いますが、高濃度の次亜塩素酸は体に悪影響を及ぼすため、手指の消毒に用いるのは禁止です。
ノロウイルス感染予防法の基本は手洗いです。調理や食事の前、トイレに行った後などの手指消毒はよく泡立てた石けんと温水による流水で手洗いすることが良いです。すすぎは流水で十分に行い、ペーパータオルなどで拭いて水分を除くことで感染予防が出来ます。
気になる症状があれば気軽に内科にご相談ください。

藍野病院 院長 山本 直宗