みなさん、こんにちは。
突然ですが、「ストレス、感じていますか?」。
こう問われて多くの人が「はい」と答えるのではないでしょうか。ストレスという言葉に触れない日はないほど、目や耳にするようになりました。そして、ストレスと上手く付き合おうと言われるようになりました。
ではみなさん、ストレスと上手く付き合っていますか?
ストレスとは、①何らかの出来事があって(ストレッサー)、②身体や心が反応する(ストレス反応)、という状態を言います。そのため、「あの人がストレスなの!」「発表がストレス…」と言いがちですが、厳密にはそれらはストレッサーです。発表すること(ストレッサー)で、緊張する(ストレス反応)ことをストレスと考えます。
ストレッサーには、怒られた、親しい人が亡くなった、などのネガティブな出来事だけではなく、進学、結婚などのポジティブな出来事も、自分自身に変化を与えるという点でストレッサーです。そのため、暑い寒いといった気温や、使いにくい道具、好みのアイスが売り切れていたこともストレッサーとなります。生きていくなかでストレスをゼロにはできない、と言われるのはこのためです。こうしたちょっとした出来事は忘れてしまいやすいので自分でも気づきにくく、知らないうちに溜まっていきます。
ストレス反応には、心の反応(不安、落ち込み、イライラなど)、行動の反応(不眠、集中力低下、飲酒量の増加など)、身体の反応(頭痛、腹痛、肩こりなど)の3種類があると言われています。
普段にはないストレス反応が生じたときに、「最近、何があったかな?」とストレッサーを探してみましょう。ストレッサーに手を加えることで、ストレス反応が改善することもありますし(例えば、寒いから1枚多く着込んだら肩こりが改善した)、ストレス反応に手を加えて反応を改善することもあります(例えば、好きなアロマを焚いてリラックスすると不安が和らいだ)。
自分がどんなストレッサーに敏感なのか、どんな反応が出やすいのか、どういう対処をすると回復しやすいのか、ということをできるだけ多く知っている人のほうが健やかな生活を送れます。そしてこれこそが、ストレスと上手く付き合っている状態です。最近なんだか調子が悪いな、と思う方はぜひ自分を気にかけてみましょう。
本やインターネットからストレスについて学んでもいいですし、自分ひとりでは難しい場合には、誰かと一緒に考えていくとよいでしょう。
当院ではPTSDの方を対象にカウンセリングを行っておりますが、自分が通いやすい医療機関や相談機関の医師や心理師に相談してみると助けになるかもしれません。
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藍野花園病院 臨床心理室